クロユキ
「ねぇー、クロ」



ん? なぁに?



あれからクロと呼ばれるボク。



「べつにユキが黒くても
いいよね?」



なんでそんなこと聞くの?


ボクは、シロと見られるなら


なに色だっていいよ。



「中学のみんなが、変だって笑うの。
別に、そのほうがおもしろいのに!」



はじめて見た、怒ったシロ。




……そうだ。


シロは“チュウガクセイ”なんだ。


ボクとアオムシの


真ん中みたいな色の服。



でも、ダイジョーブ。



「ニャーーン」



ボクが声をだせば、

笑ってくれること



知ってるから。




「クロはやさしーね。
みんなワタシをいじ……」


「おい! シロがいたぞ!」



「っ! じゃあね、クロ!」



ボクの頭をなでてからいなくなったシロ。




このときから


嫌な予感はしたんだ。








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