クロユキ
「ニャーーーン!」



つぎの日の、夕日がおちるころ。



シロはボクの前で笑ったんだ。



「あ、ははは………」



ずっと笑ってるの。



「ワ、タシ……」



まだ笑ってるシロを見ると、





キズだらけだった。




どうしたの?


アオムシにやられたの?



理由なんかわからなかった。



でもボクはシロの足のキズをペロッとなめた。



今までシロがくれたもののなかで、



いちばんニガイ。




「……やっぱりやさしいねクロは。


“だいすき”」



すき……?



シロがボクをすき……?




シロは笑ってた。


口をあけて、笑ってた。




……でもなんで?




……なんで、泣いてるの?



「……じゃあね」



シロはかすれた声で、



いつものアイサツをする。






キキィッ.....!!!




音がしたんだ。



シロが向かった方向で。



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