1日10分、俺とハグをしよう
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『藤堂、』
『…好き……』
普段はツンツンしてて、
俺のことなんか興味なさそうな千紗が、
顔を赤くして俺にすきって言った
「(…普通に、可愛かったんだけど…)」
誰もいない保健室
いつもの場所の窓枠に腕を組んでため息をつく
でも、俺は同じ"好き"を返せる自信なんかないわけで
だって、誰かを本気で好きになったこととかないし?
彼女っていうくくりも面倒だなって思ってたほどだし。
でもほら、俺だって男だから
そりゃ女の子と触れ合っていたいって思うもんでしょ
俺の場合関わってる女の子たちが、ちょっと、普通の奴らよりも多いだけ…