1日10分、俺とハグをしよう


「…藤堂が手ぇあげるなんて、珍しいな」




先生のその言葉に、

ゆっくりと隣に座っている泉を見る





「この問題、解けんのかー?」


「えーっと、そういうのじゃなくてー…」





綺麗な長い指を私に向けて、ヘラっと笑った




「早乙女さんが体調悪そうなんで、保健室連れていきたいんすけど」


「……えっ」




なっ、どうして急に…


わざわざそんなことしなくてもいいのにっ…!




「あー、じゃあ頼む。学校で変なことしたら特別指導だかんな〜」


「ちょっと待って俺そんなに信用ない?」




困ったように笑う泉


そんな変なやり取りしてる場合じゃないってば!




「ちょ、ちょっと待って!私は別に…っ」


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