1日10分、俺とハグをしよう


『….泉って呼んで』




どうして、下の名前で呼ばせてくれたの?




「…っ」




どうして、


期待させるようなことしたの。




色んなことを思い出しては、結局最後はいつもこの疑問。


バカだな、私も



やっぱりすぐに忘れるのは、難しい





「…。」




ぐるぐると考え事をしていたら、

もう放課後になっていた



…今日の授業は、まぁ集中できたとはいえないわけでして…




「…帰らなきゃ」




ちょうど部活も終わってる時間。

門が閉まる前に学校をでなきゃ



ローファーに履き替えて、校門を出る



涼しい風が吹き始めたこの時期は、

もう夕方になると薄暗い。


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