1日10分、俺とハグをしよう
▽うんと甘い精一杯のコクハク
***
学校の最寄駅に着いた私は、
ノンストップでまた走り出す
こんな時に思うよね。
「(運動が得意で良かったっ…!)」
商店街を抜けて、橋を渡って、
ほら、もう学校が見えてきた
「…っ、はぁ、」
ゼーハーいいながら、泉の靴箱を見る
上履き、ない…てことは、学校に、いる。
入れ違いになる前に見つけなきゃっ
「…いずみっ」
階段駆け上って、教室の扉を勢いよく開ける
絶対学校にいるはずなのに…
教室にいないとしたら、じゃあ……
頭の中に思い浮かんだ場所は、一つしかなかった
『ほんと、俺のこと嫌いだよね、早乙女さんってさ』