1日10分、俺とハグをしよう


ギュっと私を抱きしめるとふわりと香る泉の匂い





「千紗が飲んだのは、お酒だよ」


「……はい?」


「陸くんが、まぁなんか買ってきちゃってて」


「えっ」


「それ飲んで、千紗は酔って今の今まで爆睡」





星川さんが起こそうとしても目を覚まさないし、

時間はどんどん過ぎていくし。



だから、





「今日は俺の家に泊まることになりました〜」




いえーい、って楽しそうに言う泉に、ポカンとする


と、泊まる?私が?この家に?





「はぁ!!?」


「家の人に迎えに来てもらおうと思ったんだけど連絡つかないし。」


「……………お父さんもお母さんも、温泉旅行に、行ってる…」


「でしょ?」





陸くんと星川さんはクリスマスだし?帰り道くらい2人っきりにしてあげたかったし。




「こうするしかなかったんだって」


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