1日10分、俺とハグをしよう


その顔はどこか嬉しそうで





「千紗って、抱きしめられるの好きでしょ」





ギュッと、優しく抱きしめてくれる泉


…うん、私抱きしめられるの好き。




でもそれは、




「…泉だからだよ。」




私じゃないとダメって、あんたが言ってたみたいに、

私も泉じゃないとダメみたい。





「……好きだよ、泉」




背中に腕を回して、私も抱きしめ返す





「ちょっと待ってー…このタイミング?キスしていい?ていうかしたいんだけど」


「…あ、あとでね…」


「……ムリ、我慢できない」













両手を広げて、私の名前を呼ぶ




"おいで、千紗"




その言葉はもう私だけのものだ。










*END*






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