1日10分、俺とハグをしよう


「何飲む?」


「あんたねぇ…」




こんなことしてる場合じゃないのに

私これからバイトなんだよ?



そんなことを思いながら、店員に注文する藤堂を見た




「…ちょっと、さっきから何なの?」




振り回されっぱなしで、もうくたくただ




「んー…」




なんて言ったらいいのかなぁ、なんて呟く

それから私に視線を移してニッコリと笑った




「どうしてか分からないんだけど、」


「うん」


「千紗が他の男のために泣いたり、悩んだりしてるの見るとムカつく」


「…はぁ?」




それ、さっきも言ってたけど…


ダメだ、意味が分からない。





「俺のほうが近くにいるのに、どーして俺のことは見てくんないの?」


「どーしてって…」


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