1日10分、俺とハグをしよう


「…そんなに好きだった?」


「……ん」


「泣くほど?」


「…」




まだ、泣いてないし


「何それ妬けるねー」って、あんたに言われても嬉しくない




「1人の女泣かせて、他の奴んところいっちゃうような男、

まだ好きだーって思うほどの価値、


俺はないと思うけど」





……え?





ガタッと立ち上がった藤堂は、

まっすぐ陸たちのところに歩いていく



それを慌てて追う私


あいつっ、いったい何するつもり…?





「…ちー?」





急に現れた藤堂と、その後ろにいる私を見て、

ビックリしたように名前を呼ぶ陸



…そういう風に呼ばれるの、
恥ずかしかったけど、でもやっぱり好きだったな


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