1日10分、俺とハグをしよう


ゔ…涙腺が緩む…




「千紗、まだ君のこと好きなんだって」


「…っな、」




いきなりそんなことを言う藤堂を、バッと見た


な、なにを…!!

陸の前でっ、しかも例のこの前でっ!





「ちょっと、あんたなに言って…」


「でも今日から、」





グイッと腕を引っ張られて、藤堂の横に並んだ


訳がわからない…


奴は、私を見て笑った




「今日から前に進むって言ってるから」


「…な、にいって」


「陸くんよりいい男見つけて幸せになるって」




そんなこと言ってないけど…!?



そろそろ文句を言おうと口を開いた瞬間、






「…こんないい女捨てるなんてもったいねーよ?」






「…っ!」







腰を引き寄せて顔を近づけた藤堂は、




私にキスをした






「…ま、もう遅いけど。」



< 55 / 356 >

この作品をシェア

pagetop