1日10分、俺とハグをしよう


……。


すれ違いざまに目があった陸の顔


…眉を寄せて、どこか悔しそうで。




「これで少しは千紗のこと気にかけるかもしんないね」


「…」


「でも千紗は、もう陸くんのことなんか忘れて違う男見つけて、楽しく過ごさなきゃ」




こいつ…




「これから生きてく中で色んな奴と出会って恋して、失恋して、

たくさん今みたいな気持ちになるかもしれないんだし。」





ちゃんと立ち直り方知っておきなよー、

だって。




………ロック画面を変えたのも

あえて陸たちがいるカフェに連れて来たのも





「……私のため?」





駅前の広場で私を振り返った藤堂


クスッと笑って「さぁね」なんて。


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