1日10分、俺とハグをしよう
△体育祭のハプニング
ホイッスルの音、みんなの応援の声、騒がしい校庭
……とは離れた校舎の中、教室にて。
「この前、千紗とハグしてたとこ他の子に見られちゃってさー」
「…この前?」
「ほら、駅んとこで」
あぁ、あの時のか…
なんて、思いながら思い出す
藤堂に振り回されて大変だったなぁ。
「あの子だれ?って。めっちゃ聞かれんの」
「そりゃ、あんたのこと好きなら気になるに決まってるじゃん」
「でもさぁ、彼女でもなんでもないんだよ?
ほっとけよーって、思う」
言いながら、私の髪の毛をくるくる指に絡ませて遊ぶ藤堂
「んっとに…疲れるー…」
ギュッと抱きしめる力を強くするから、
少し苦しいわけで。