人間複製機
☆☆☆

人の髪の毛を採取するということは意外にも簡単なことだった。


大量の髪の毛が必要になっているワケじゃないから、相手に怪しまれる心配もない。


陸人だけ複製することができればいいと思っていたあたしは、途中で考えを変えた。


そうだ、ナオの髪の毛も貰っておこう。


これから先何かに使えるかもしれないし、持っていて損はないはずだ。


そう考え、体育の着替えの時にこっそりとナオの髪の毛をいただいた。


2人の複製をどう使おうか。


考えるだけでウキウキしてしまって授業には集中できなかった。


何度か先生にあてられたけれど、その度に「わかりません」と答えていたから、マナに心配をかけてしまった。


それでもあたしの頭の中から複製機のことが離れる事はなかった。
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