人間複製機
☆☆☆

やっと放課後になり、あたしはいち早く教室を出た。


家までの時間を少しでも短縮したくて走って帰る。


それでも不思議と疲れを感じる事はなかった。


時々信号に掴まってイライラしながらも、あたしは転がるように自宅へと戻ってきていた。


そのまま自室へと向かい、複製機を取り出す。


喉はカラカラに乾いていたけれど、水分補給だって後回しだった。


財布の中から陸人の髪の毛を取り出し、複製機に入れる。


そしてスイッチを押した。


1分間がとてつもなく長く感じられる。


今まで複製してきた中で1番ワクワクした時間だった。


その間に水分を取り、呼吸を整えて鏡を確認した。


複製されたものだと分かっていても、陸人に汚い自分を見せることはできなかった。
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