狂愛社長に溺愛されてます
「仕事なんてしたくない女ばかりだと思ってた」



ぼそっと背後から少し寂しそうな声が聞こえる。



「社長……?」



言ってることはありえないのに、あまりにも寂しそうなその声が気になってしまう。



「僕のことは熱樹(あつき)でいいよ」


「そんな……社長を名前で呼ぶなんて」


「君に拒否権はないよ?」



また言われること言葉。



「熱樹……さんで」


「ま、いいだろう」



フッと笑う。



「熱樹さんはなんであたしなんですか?」


「なんで……だろうな。わかんないけど、君でよかったって思ってる」


「よかった?」



なにがあたしでよかったんだろうか。
一目惚れと言っていたのに、まるで何かがあってあたしに声をかけてきたような感じ。



「あ、一目惚れしたのがだよ」


「……そうですか」



なんだか腑に落ちない気がするけど、まぁいいかと諦める。



「君は僕のものだから、さっきの彼のところにはもう行かないように」



強い瞳で見つめられて



「はい」


そう返事することしかできなかった。

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