狂愛社長に溺愛されてます
「熱樹さん!それだけはやめてください!」


『じゃあ、ちゃんと忠告しておくことだね』


「はい!」



あたしのせいで颯太の将来を奪うわけにはいかない。
風詩は同期の星だから。

結構な大企業になるうちの会社。
その中でも彼は営業のエースになるべく存在だから。
なのに、あたしなんかのために人生を棒に振るなんてあっていいはずがない。



「でも、なんで……」



風詩がここに来たことに気づいたのだろうかと考えてハッとする。



「……さっきの」



机の脚に付いていた四角いもの。
もう一度その四角いものに目をやる。



「……きっとこれだ」



これは盗聴器だろう。
熱樹さんのあたしに対する行動はハッキリいって常軌を逸してる。



「颯太にLINEしておかなきゃ」



電話なんて、熱樹さんがゆるしてくれるはずないから。

〝社長に気づかれてるから、もうこない方がいいよ!〟とLINEをしておく。

社長である熱樹さんに気づかれるのはマズイと、風詩も分かってくれるはずだ。

< 17 / 71 >

この作品をシェア

pagetop