狂愛社長に溺愛されてます
「これとこれとこれ……ビールでいいかな?」



席について、メニューを開いてテキパキと注文を決めていく。



「あ。はい」


「ビール二つで」


「かしこまりました」



店員さんがペコッと頭を下げて座敷から出ていく。



「なんか緊張してる?」



座敷のドアがパタンと閉まると熱樹さんがあたしを見る。



「こういう所初めてで……」


「ふっ。リラックスしていいよ」



テーブルの上にあるあたしの手に触れる。



「慣れてなくてすみません」


「なぜ謝る?」



熱樹さんはこういう所に来るのは慣れているだろうから、あたしが隣にいて恥ずかしくないだろうかと申し訳なくなる。



「なんか申し訳なくて」


「君にが慣れてないことぐらいわかってる。ただ、俺がエスコートしたかっただけなんだ。ごめんな」



向かい側からあたしの頭をぽんっと撫でる。



「熱樹さんに触れられるの好きです」



なんだか落ち着くんだ。

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