狂愛社長に溺愛されてます
「ありがとう」


「ごゆっくり」



彼女は上品に微笑んで、再び座敷をあとにする。



「明日は休みだ、飲もう」



テーブルに置かれたビールのうちの一つをあたしへと向ける。



「はい」


「乾杯」



熱樹さんとあたしのグラスが合わさって心地よいカチンという音が鳴る。



「おいしい」



少し口に含んだビールはとてもおいしかった。



「ここのビールも美味しいし、これからくる料理も最高だから」


「楽しみです」



自分ではとてもじゃないけどこれない料亭。
そして熱樹さんの甘い言葉に甘い視線。



「君がご飯を食べるところも可愛いんだろうな。そのビールを飲む姿さえも愛おしい」



なんてあたしにはもったいなさすぎる言葉をたくさんくれる。



「そんなあたしには恐れ多い言葉です」


「どんなに着飾っている女よりも、僕には君が可愛く見えるから」


「……ありがとうございます」



熱樹さんの甘い言葉には何度も溺れてしまいそうになる。

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