狂愛社長に溺愛されてます
「君が悪いんだよ」


「……え?」


「俺のことを違うやつと間違えるから」



熱樹さんの顔はとても寂しそうで、その顔をみてなんだか胸が締め付けられる。



「違うやつ?」


「あぁ、風詩とか言いやがった」


「……あっ」



酔ってしまって、風詩の名前を呼んでしまったってこと?



「君がアイツのところに行ってしまいそうで、怖くて気づいたら手錠を手にしてたんだ」



あたしたちを繋ぐ手錠を見つめる。



「理由はわかりましたけどよく手錠なんて持ってますね」



普通は思い立ったらすぐそばにあるようなものではない。



「ここはホテルだからね」


「……ホテル」


「空いてた部屋がSM部屋でよかったよ」



熱樹さんの言葉に部屋をグルっと見渡すと、壁にはXの文字。



「X……?」


「磔台だよ。やってみる?」



なんてにっこりと笑って聞いてくる。

その笑顔にブルっと身震いをしたのはいうまでもない。

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