狂愛社長に溺愛されてます
〝カチャリ〟と音がしたと同時にあたしの腕から圧迫感が消える。



──……手錠が開けられた。



「寂しかったらまたつけてもいいよ?」



なんてニッコリと笑う。



「じゅ、充分です!!!」



自由になったあたしはそのまま熱樹さんから離れようと後ずさりする。



「危ないよ!」


「うっ……」



後ずさりしたことによって、ベッドの端にきてしまったあたしを熱樹さんが軽く支える。



「まったく、ちゃんと周りを見なよ」


「ごめんなさい」



熱樹さんに支えられて、触れられている部分が熱く感じる。



「楓」


「はい?」



ふいに名前を呼ばれて、熱樹さんの顔を見る。



「早く俺のこと好きになりなよ」


「……っ」



ふっと笑いながら言う熱樹さんは、なんだかとても色っぽい。

なにこれ。
その顔にその言葉反則だって。



「照れちゃって」



あたしの頬に触れる。

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