狂愛社長に溺愛されてます
「おはようございます」



誰もいなくても社長室に入る時はなんとなくこう挨拶をするのが癖になっていた。



「おそようだな」



誰もいないはずの部屋から聞こえてきた、いるはずのない人の声。



「熱樹さん!?」


「期待通りの反応ありがとう」



可笑しそうに笑う。



「な、なんで!?」


「もともと今日からこっちの予定だった」


「え!?明日からって……」



そこまで言って、熱樹さんに騙されていたんだと気づいて口ごもる。



「予定より早く帰ってきたらまずかったのかな?」


「そんなことあるわけ……「でも、また密会してたんだよな?」



熱樹さんがじわりじわとあたしに近づいてくる。



「そんなんじゃないです……」



たぶんだめだ。
こんなこと言っても熱樹さんは聞く耳なんてもってくれない。


この一ヶ月ちょっと熱樹さんとずっと一緒にいたからよくわかってる。

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