狂愛社長に溺愛されてます
「アイツと一緒にいて遅くなったのは事実」


「熱樹さんが考えてるようなことではなくてっ!ただ、会社の前であったから少し話してただけです」



あたしの言葉を耳にしてもなお、熱樹さんはその足を止めない。


なんであたしはこんなにも必死になっているのだろうか。
別に勘違いされたっていいはずなのに。

こんなにも執拗にあたしに固執する熱樹さんから、なぜ逃げようとか考えられないのか。

それは、彼がこの会社の社長だから?
風詩がクビになるかもしれないから?
ても、風詩はさっき大丈夫だと言った。

実際、この人が社長だからといっても嫌なら逃げればいい話で。
ただあたしはやっぱり、この人に惹かれているから離れられないのだろうか。



「早く俺を好きになればいいのに」


「あのっ……」



熱樹さんはついにあたしの目の前へたどり着く。
それでも歩みを止めないから、あたしもそれにそれに沿って後ずさりをする。

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