狂愛社長に溺愛されてます
「最近のあたしは熱樹さんのことばかり考えてますよ」


「それはどういう意味?」


「好きって事だと思います」



熱樹さんの瞳がみるみると見開いていく。

〝好き〟と口にして、その大きさに気づく。
あたしは、初めて社長室に連れられてきたときから熱樹さんに惹かれてた。
風詩の言う通り。



「ほんとか?」


「はい」



檻ごしにあたしの手を握る。



「じゃあ、お前は俺のもの?」



初めて言われた〝お前〟という言葉にすらドキリとする。



「そうですよ」


「ここから逃れたいから言ってるわけでは?」


「……ないです」



カタリと聞こえてきたドアの方からの音。
その音に熱樹さんが振り向く。



「ふっ、俺が勝ったみたいだ」



熱樹さんの言葉にドアの方をみる。



「ふ……風詩!?」



あたしがよく知る姿がそこにはあって、檻の中で思わず尻もちをついてしまう。

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