狂愛社長に溺愛されてます

✱好きだから

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「雨宮さん、ちょっと」


「はい」



課長に呼ばれて、バタバタと走る。



「これ、社長室に持ってってくれる？」


「社長室？」


「雨宮さんなら社長に慣れてるでしょ？」


「はぁ……」



熱樹さんと会うことがなくなって一ヶ月。
こうして社長室へのおつかいを頼まれることは初めてだった。



「行ってきます」



課長から書類を受け取って、自分の席に一旦戻る。



「楓、大丈夫か？」



風詩が心配そうな顔をする。



「うん。行くしかないからね」



本当は熱樹さんに会うのが怖かった。
会わないで済むならこのまま一生会わないでよかった。
元々社長の熱樹さんと平社員のあたしはほとんど会うことがなかったから。



「俺が行こうか？」


「風詩が行くなんてそんなのダメだよ」



熱樹さんがかわいそう。