愛しのエマ【完】

あともうひとつ

副社長にお願いされたのが
ランチの交換。

私の作ったお弁当を副社長が食べ
会社が用意したお昼を私が食べる。
私は豪華なランチ大歓迎だけど
私の節約弁当で不安。

でも
美味しそうに食べる副社長の顔を見ると、問題ないみたい。

「奈緒さんの作るお弁当は最高です」

お昼は会食の予定を当分入れず
私とツーショットで副社長室でランチ。

部屋に電子レンジを入れてもらいました。
レンジでチンして副社長に出すと
毎日子供みたいに
美味しそうに食べてくれる副社長。

太陽みたいな人だ。

純粋で笑顔が可愛い。
黙っていたら
普通に大人のイケメンなんだけど
笑顔が可愛いって見惚れてどうする私。

ただの抱き枕に感情はいらない。

豪華な天ざるを食べながら、私は頭の中をリセット。
思いのほか
副社長がいい人で困ってる。
好きになりそうで困ってる。

雲の上の人
私はただの抱き枕

彼には愛する人がいる。


切ないなぁ。
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