愛しのエマ【完】
「奈緒さん、それは違う」
「すいません。帰ります」
「奈緒さん待って、僕の話を聞いてほしい」
「これ以上、悲しい気持ちにさせないで下さい!」
こらえきれなくなって
叫ぶような大きな声を出し
私は「失礼します」と、身体を震わせながら車を降りた。
もうヤダ
キスなんてしないで
服なんて買わないで
ハグしないで
笑顔を見せないで
甘えないで
優しくしないで
彼女とは別って
愛人枠?
総務に
戻してもらおう。