この手で君を、抱きしめたくて
その時だった。


ーーーーバンッ。


紛れもなく、それは銃声だった。

俺の身体は、その音を聞くと同時に動いていた。

神楽大臣のもとへ行き、安全な場所へ誘導するためだ。


「大臣、屋内まで誘導します」


建物までの距離は…30m程度だろうか。


さっきの銃声は、どこからだ…?

どこだ、どこから大臣を狙ってる?


俺は大臣を誘導しながら、周りに目を向けた。

会場内はパニック状態だった。

泣きながら逃げ惑う人、恐怖にうずくまる人。

まさに、地獄絵図。


くそ…

狙いが神楽大臣なら、どこか高いところから銃で狙うはずだ…
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