この手で君を、抱きしめたくて
「そうかもしれないな」

俺がそう呟くと、翔が驚いた顔をした。


「珍しく素直だな」

「いつも素直だよ」

「嘘つけ!素直じゃねーよ」

俺たちは笑いあった。


「でも…奈々ちゃんと出会ってからの翔は、確かに、前より強くなった」


翔は天を仰いだ。


「そうかな。そうだと良いんだけど。俺、奈々にプロポーズしようと思ってる。今回の任務が終わったら、ちゃんと言おうと思う」

「じゃあ、ぱっと片付けないとな」


「…だな。遥輝。お前も、もし大切な人が出来たら、ちゃんと向き合えよ」

「なんだよ急に…でも、ありがとな」
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