好き、好き。あなたが好き
連れて行かれた場所は、中庭の自販機の裏。
「えっと…話って…」
女子でも数人に囲まれると、威圧感がすごい。
「望愛に伝えなきゃなって思ってたことがあってさ」
「伝えること?」
「戌井くんのことで」
ドキン!
「え…」
「私、実は戌井くんと同じ中学だったんだよね。だから、望愛の知らない戌井くんを知ってる」
私の知らない戌井くんー…
「それが…何?」
言い方にムッとした。
「怒らないでよ。戌井くんが何で、望愛の告白に答えないか教えてあげようと思ったのに」
ドクン。
「…」
半年間ずっと戌井くんに直接想いを伝えてきた。
けど、返事ももらえず…あしらわれる。
その理由を教えるっていうのー?
「…何であなたが知ってるの?私は、戌井くんの言葉しかー…」
「戌井くん、彼女いるから」
ドクン!
「…え?」