好き、好き。あなたが好き
「あ…あの…戌井くん」
私も突然のことでパニックになっていた。
戌井くんがなんで私を教室からー…?
「望愛さ」
「!」
廊下の途中で止まった。
「もう、俺のこと好きじゃないの?」
「え…え…え!?いや好き…じゃなくて、戌井くん彼女いるんだよね!?」
唐突な問いに、パニックからさらにパニックになる。
「あぁ…だから、最近まとわりついてこなかったのか」
「あ…当たり前だよ…だって、彼女さんに悪いし…戌井くんにだって…」
「で、誰が俺に彼女いるって言った?」
「え!?それはー…」
言うなって言われたし…じゃなくてー…
「誰でもいいじゃん…彼女いるのは事実なんだし…」
「ふーん」
自分で言って、また泣きたくなった。
否定しない戌井くんに対してもー…