好き、好き。あなたが好き
その通りだけど、私はー…
「わざと聞こえるように悪口いってんじゃねぇよ」
「!」
背後から聞こえた声。
「瀬戸…私たちは別に…」
瀬戸くん!
「お前らも戌井が好きなら、望愛みたいにアタックすればいいだろ?何もしない外野が、人の恋をとやかく言うな」
「…ふん!」
女子たちは機嫌悪そうに行ってしまった。
「瀬戸くん…」
「ほら、戌井の隣に座るんだろ?早く行けよ」
「ありがと」
軽くお辞儀をすると、戌井くんの元へ向かう。
「あんな男のどこがいいのか…」
瀬戸の独り言は聞こえなかった。