好き、好き。あなたが好き
好き、好き
「戌井くん!今日も好きだよ!!」
いつもの朝の挨拶。
「…あっそう」
「明日も好きだからね!」
「はいはい」
戌井の後を追いかける、いつもの光景。
「朝からうるせーなと思ったら、お前か…望愛」
「…瀬戸くん」
舌打ちしながら瀬戸が登校してきた。
「戌井もいい加減付き合ってやったら?」
「瀬戸くん!!」
何てことをー…
「はぁ…うるさいのが2人になった」
大きな溜息をつきながら、戌井くんは教室から出て行ってしまう。
「戌井!お前がハッキリしないせいで、望愛が傷ついてもいいのかよ?」
その背中に向かって、瀬戸が言った。
私が傷つくー…?
一度足を止めたが、戌井くんは何も言わずに出て行ってしまった。