だから、俺を見ろよ。

けどその日の放課後。


『...高田』


『なに?』


私の前に現れたのは、千尋だった。


『これ』


と、ぶっきらぼうに千尋が差し出したのは、パックのオレンジジュース。


『...なに?これ』


『やる』


千尋はただオレンジジュースを差し出したまんまだったから、私はとりあえず受け取った。


『今日、ぶつかったのに素通りしてごめん。これ、そのお詫びだから』


そう言って千尋は少し照れたように頬をかく。


千尋はクールで、一匹狼で。
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