すきらい。
「おいみんなー今日から文化祭の準備が始まる。役割分担はもうしてあるだろうから、俺らのクラスが一番になれるように、気合入れてがんばるぞ!」


生徒A「俺らお化け屋敷だから、まずは買い出し行かねーとな!」

「あーそれなら先生が車でのっけてくから行きたいヤツおるか?」

(え!?これは白石なつめ行くしかないでしょ!)

「はいはいはーい!先生!私行く!」
「おー白石か!じゃあついてこい。」

(いい機会だ。白石にちゃんと言おう。)

〜車の中〜

「なあ白石。」
「なにせんせー?」

「いっつもお前俺のこと好きっていうけど、それって本気なの?」

「えっ」

白石は、本気だよなんて言ったら先生との関係が変わってしまうのではないかと怖かった。しかし冗談だとは口にしたくなかった。

「まぁ、俺はどっちでもいいけどさ。白石のことは好きになれないから。」

(えっ……)

「俺たちは生徒と先生だろ?立場をわきまえないと俺もお前もいい事なんてなにも起こらないぞ。」

先生はいつもみたいに目の周りをクシャッとさせて笑う。

(先生は教師として正しいことを言っているのはわかる、でもその笑顔にいらいらしてしまう。)

「ごめん先生、先に行ってるから。」

ガチャッ

「お、おい!白石まてって!」

(やだやだやだ、早くこの場から逃げたい。この会話をなかったことにしたい。)

私は無我夢中でお店に向かって走った。

「白石あぶないっ!!」

「え…?」

先生の声とともにクラクションの音が聞こえる。音の鳴っている方を見ると、車が猛スピードで私に向かっていた。

(まって、やだ…)

「白石っ…!」

ドッ

必死な顔をした宮島先生が固まっている私を突き飛ばした。

キーーッドン

今まで聞いたことのない音が頭の中に響いていた。

通行人「お、おい!大丈夫か!?救急車!誰か救急車を呼べ!」

視界がぼやけていくなかで、先生の服が赤く染まっていくのだけが見えた。

「う、うそだ…そんな。なんで…こんなことに。」

私は頭の中が真っ白になり、そのまま気を失ってしまった。
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