わたしは今日もあなたの隣で
「…祐美」
ナオくんの視線の先には、いつのまにか病室に入っていた祐美さんがいた。
「…なんの話、してるの」
ナオくんは、なにも言わない。でも、焦っているのが伝わってくる。
「ねえ、本当に尚人はただの風邪なの?」
私は涙を急いで拭きながら、俯く。
祐美さんの顔を、見ることができない。
「…その子には言うのに?なんで、私には言ってくれないの?」
「祐美、あのな、」
「私、なんなの?…私、ちゃんと、尚人の彼女でいられてるの?」
辛そうな祐美さんの声に、思わず私は顔を上げた。
祐美さんの頬を伝う涙。
それをみた瞬間、私は気づいてしまった。
…邪魔者は、私なんだ。