わたしは今日もあなたの隣で


私は病室を飛び出した。


ドアの前に、ズルズルとへたりこむ。


本当は、ずっと思ってた。


邪魔しないでよって。


私は絶対に祐美さんよりもナオくんのこと知ってて、ナオくんだって私といるときのほうが安心できるはずだって。


私は、ナオくんの特別なんだって。


そう思い込んで、少しばかりの優越感に浸って。


でも違う。私は特別なんかじゃない。


ただ家が近くて、親が仲が良くて、幼なじみだから。だから、ナオくんのそばにいられた。


私たちは、それ以上でも以下でもない。


幼なじみという繋がりが切れてしまったら、私たちの間にはなにが残るんだろう?

< 13 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop