わたしは今日もあなたの隣で
「…ナオくん」
私はベッドのそばに膝をついて、ナオくんの手を握る。
…よかった、あったかい。
「…さ…よ?」
人工呼吸器ごしのナオくんの声は掠れていて、私の目からは涙がボロボロと止まらなくなる。
「ごめっ…ナオくん。ごめんっ…」
「なんで…沙世が、あやま、るの…」
ナオくんは、苦しいはずなのに笑う。
ダメだ…私、本当にバカだ。
「私…私、ナオくんのそばにいてあげられなかった!辛い時に、あなたの隣にいてあげられなかった!私、ナオくんにそんな顔させたかったんじゃない!!」
喉がヒクついて、うまく喋れない。溢れた涙が口の中に入って塩辛い。
「俺も…だ、よ。」
「…え?」
「…俺も、沙世に、無理させたかった、わけじゃ、ない…」
「そんな…!」
私は首を振ったが、ナオくんは続けた。
「沙世、本当は、ずっと、泣いてた、だろ…」