わたしは今日もあなたの隣で
私は、ナオくんの言葉に息を呑む。
「ごめ、んな…全部、気づいて、て、黙ってた。」
ああ。そうか。
ナオくんも、気づいてたんだ。
私があなたのことなんでもわかるのと同じで、あなたも私のことちゃんとわかってくれてたんだね。
「さよが、離れるのが…こわ、かった…」
「…私が、そばにいて、よかったの?私に、そばにいて欲しかったの?」
ナオくんは私の言葉にゆっくりと頷く。
「お、れ、沙世の、笑顔、好きだから。だ、から、笑って、沙世…」
ナオくんの手が、私の手を強く握り返す。
ナオくん、ナオくん、ナオくん。
私、知ってるよ。ナオくんが祐美さんのこと大好きなこと。私に向ける好きは、恋愛感情じゃないこと。
ナオくんにとって私は、特別な幼なじみだってこと。
逆だったよ、ナオくん。私が、ナオくんの前で無理しちゃってたんだね。
気づいたら、ナオくんの前で作り笑顔ばっかしてたんだね。