Convey The Feeling
わたし、安達七海は、高校最後の夏休みを迎えた高校3年。18歳。
隣で歩く男子は、帰り道が同じで、タイミングが合えば一緒に帰る同級生の、男友達。
片桐琢斗。同じ18歳。
わたしの、片想いの相手でもある。
「本当、琢斗はサッカー一筋だよね!」
「そうか?…まぁ、サッカーやってる時が、生きてる!って感じするんだよな」
「はは、大げさ!」
「笑うなよ!ってかお前さ、佐藤達と旅行?行くの?」
「うん、…何で?」
「いや、8月15日に試合あるからさ、見に来るかなって思ってさ」
「あー、うん。予定確認しておくよ」
おう。
って、はにかんだ笑顔をわたしに向けてくれる。
期待はしないよ。しない。
だって、琢斗のその誘いには、恋愛感情ない事知ってるからさ。
わたし達は、友達。
これからもずっと。
それが琢斗のそばに居られる、唯一のわたしの肩書きなんだ。