アウト*サイダー
* 寄り添う
「…………リョウスケ、担任が呼んでた」
幾らか間を空けて出された言葉。それまで、そして今も、彼の目が私を捕らえ続けている。どんな表情をしているかわからない。だけど彼から目を離せなくて、目がチカチカして、イライラする。
「……えー。マジかよ! 今行ったらハスミがぼっちになっちまうし、でも無視ったら後がこえーもんなぁ」
横から聞こえたわざとらしい嘆息。私は体を正面に戻して「別に一人で平気だから早く行けば」と早口に言いきった。
素直じゃねぇんだから、とかなんとか呟いてリョウスケがごみ袋を持って立ち上がると、非常階段を上っていく。
「ケイ、どうせ暇だろ? ハスミの話し相手になってやれよ」
what!? と叫びたくなるのを寸前で飲み込む。今さら振り返ることもできずに、してやったりの顔をしているであろうリョウスケに心の中で悪態ついてやる。
後で沢山いじってやるんだから! 覚えときなさい……!!
扉が閉まる音がした。
私は食べるふりをしながら、背中を強張らせ、耳を澄ます。