アウト*サイダー
自分でも嫌な言い方だと思う。用がないなら帰ってと言わんばかりの冷たさだ。
ほんの少し、罪悪感を抱きながら残ったおかずを平らげていく。
「あんたの名前、教えてよ」
私はおもいっきり眉間にシワを寄せて、それからおもいっきり怪訝な顔を宮永慧に向けた。
「名前も知らないで告白したの?」
冗談でしょ、というニュアンスを含ませる。だけど、彼には伝わらなかったようで、逆に不思議そうな顔を向けられる。
「名前で誰かを好きになるの?」
また私はイライラする。そんなこと聞かないで。私が聞きたいのだから。
「……ハスミ」
いったんため息をしてから、ぼそっと言った。
すると、宮永慧は何度も繰り返し名前を呼び始める。それはさながらインコが覚えたての言葉を練習するかのようで、呆れを通り越して笑ってしまった。