アウト*サイダー

 突然笑いだした私にケイとリョウスケがアホ面を向けるから、余計に笑いがおさまらない。

「バイキンスケのせいで、ハスミがおかしくなっちゃったぞ」

「俺のせいかよっ!? てか、俺はバイキンスケじゃねぇ!」

「バイキンスケのバイ菌がハスミに感染したんだよ、きっと。だから一刻も早く離れろ」

「いや、だからさぁ……」

 また、くだらない喧嘩を始めようとする二人に、私の悪戯心が顔を見せる。私は二人から距離を空けて……

「えいやっ!!」

 勇ましいかけ声と共に、宙を舞い上がる水飛沫。

 その直後、バシャアっ……という思っていた以上に派手な音がして、私の悪戯心がさっさと逃げてしまう。黙り込んだケイとリョウスケの姿に、だんだんと血の気が引いていく。

「あ、あははは? ちょっと、やり過ぎ……ちゃったかも?」

 私が蹴った水溜まりの水を諸に被ってしまった二人から、そろそろと逃げようとするも、リョウスケは目ざとくそれに気付く。

「ちょっとだと……? これが、ちょっとに見えるのか!?」
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