アウト*サイダー
「え? なんで?」
ますます訳が分からなくなってしまう私に、ケイは意地悪そうな表情を浮かべる。
「教えてあげないよ? あ、でも、さっきのごめんなさいを俺にもしてくれたらヒントあげようかな」
リョウスケの後ろ姿とケイを交互に見る。私の頭には疑問符が浮かんで止まない。
「ごめんなさい……?」
「…………うん、可愛い……可愛いが過ぎるっ」
頭を抱えるケイに軽く引きしながら、リョウスケを追いかける。
待ってよー、と然程急いでいないケイの声に、前にいたリョウスケがやっと立ち止まって振り返った。
その表情は何故だかしかめっ面で、私とケイが追い付いてきても、だんまりを決め込んでいた。
答えを求めるようにケイを見ると「怒ってはないよ」と言うだけ。
リョウスケを凝視するも、目が合ったと思えばすぐにそらされてしまった。
機嫌の優れないリョウスケをどうしたもんか……と一人で悩んで、妙案が浮かぶ。実にシンプルで、笑顔にならざるおえない方法……それは……
「コチョコチョコチョ……っ!」
傘を肩に乗せて、両手でリョウスケの脇腹を全力でくすぐる事だ。