アウト*サイダー
初めは我慢するようにグッと堪えていたけど、さすがに我慢できなくなったのか、やめろよ! と笑いながら逃げるリョウスケ。
ケイも面白がってくすぐるのに参戦してきて、今度はリョウスケが私たちから逃げる番だ。
私だけだったら簡単に逃げられていただろうが、ケイが上手く捕まえていてくれた。さらに……
「よお! ……って、朝から何してんだ?」
学校が近くなっていく毎に増える同じ制服の集団の中から、ダイが私たちの方へ近寄ってきて、不思議そうな顔を向ける。
しかし、事情を説明する前に察した彼は、悪い顔をしてリョウスケをロックオンする。
「マジかよ……おい、やめろっ! ひぃっ!!」
本気で身の危険を感じたリョウスケはケイから逃げ出すけれど、ダイに捕まってしまう。
ギャーギャーと騒ぐ二人を私とケイが少し離れた安全な場所から傍観する。なんて最高の喜劇だろう。……リョウスケにとっては悲劇でしかないが。
なんて、傍観者としてクールに眺めていたけれど、ダイから逃れたリョウスケがこちらに逃げ込んできて事態が変わる。