アウト*サイダー
来るな、来るなと念じていてたのに、リョウスケが私を盾にするように背中に逃げ隠れて来た。
女を盾にするなんて、それでも男か! と叱ってやりたかったが、ダイが大きな体で突進してくる勢いで走ってくるもんだから、そこから逃げ出すしかない。
一縷の望みをかけてケイを見るが、彼はさっきまでの私と同じように涼しい顔で手を振っている。
「こんちきしょうめっ!!」
「こうなったのはハスミのせいなんだからな!」
正論だけど、そうじゃないだろう!
私とリョウスケは結局、学校まで全力疾走するはめになった。
髪はびちょ濡れだし、靴も靴下も泥だらけ。
校門に立っていた生活指導の教師(晴れの日も雨の日も関係なくいる)には引き留められて小言を言われしまう始末。
遅れて来たケイとダイは、真面目くさった顔で教師に挨拶をして難なく通りすぎて行くのを、私たちは悔しい思いで見届けるしかなかった。
「聞いてるのか、田口、谷!」
「……はい」
「すんません」