アウト*サイダー
「ハスミ、遅いぞ。靴履き替えるのにどんだけ……」
私に気付いたリョウスケが振り返る。待っててと頼んだ覚えはないけれど、彼とケイ、おまけにダイまでもが人でごった返す中に突っ立っていた。
急ぐ義理はないが一応駆け付けるフリをする私に向けられた3人の視線。その内で最初に口を開けたのはダイだった。
「ぶっ……あははは!! イケてるぞ、ハスミ!」
見事なまでに豪快な笑い方をするもんだから、嫌ってほど注目を浴びる。
いや、そんな笑うことないと思うんだけど?
体育の時用に置いてあったくるぶし丈の靴下が、ちょうど靴箱の中にあったから濡れてるのよりマシだと履き替えただけ。
確かに、規定の長さのままのスカートに短い靴下で、しかもそれが原色中の原色オレンジに亀丸印で某有名アニメの物だから色々可笑しいけども。
「ダイ……そんな、笑うなよ。……っくく……エホッ、コホッ! ほら、ハスミが可哀想…………ぶっ…………」
リョウスケもダイを小突きながら堪えられない笑いを変な咳で誤魔化している。