アウト*サイダー

「どうしたのかな、リョウスケ君? お風邪かなぁ……?」

 持っている傘を力強く床に叩きつけながら、ひきつる笑みでリョウスケを凝視してあげる。彼は途端に顔色を変えて目を背けた。良かった、風邪じゃないみたいで。

「なんで俺だけ……っ」

「うんー? 何か言ったぁ?」

 俯いてモゴモゴと不貞腐れる彼だったけど、焦ったように口をつぐんだ。

 その隣で未だに笑いが治まらないダイ。私の顔と靴下を交互に見て「確実にウケを狙いに来たな」とか、意味分からないことをほざいている。

 ちょっと、そろそろキレてもいいかな?

 不穏な空気をいち早く察知したリョウスケが、さりげなく私との距離を置く。一方のダイはドラ○ンボールよりもワン○ース派だ、なんて聞いてもないのに語りだしていた。

 ……とりあえず、黙らせよう。

 そう思って、開けた口が発したのは罵詈雑言……ではなく、自分でも聞いたことがないような甲高い悲鳴だった。

 一瞬何が起こったのか分からなかった。ただ、足に何かが触れた感触とケイが片膝を床に付けてこちらを見上げている状況から、私は直ぐ様にそこから距離を取って壁に張り付いた。

 今、ケイが私の足に触った!?

 なんで!?
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