アウト*サイダー
いや、触ると言っても膝下辺りを軽く触れられたくらいだったが、それでもいきなりされたものだから頭の中がプチパニックだ。
何より、女の子みたいな声をあげたことに対する羞恥が後からやってきて、思わずケイを睨み付けてしまう。
性別は女でも地声はそんなに高くないし、まずキャラじゃなさ過ぎて死にたいくらい恥ずかしい。
髪の毛を顔の前に寄せ集めて、熱くなって仕方ない頬を隠す私にケイが困惑した表情を向ける。
「ごめん……俺、別に変なことするつもりじゃなくて、足に泥が付いてたから……」
もう一度「ごめん」と謝って、それでも頑なに動かないでいる私からリョウスケとダイに助けを求めるように視線を移すケイ。
だけど、二人からは責めるような目しか向けてもらえず、考え込むように俯いた。
私達の間を続々と通りすぎていく生徒の数が多くなっていく。もうじきチャイムが鳴るのかもしれない。
子供っぽくいじけてるのも何だか申し訳なく思えてきて、私から折れた方が良いのだろうと落ち着いてきた頭で考えていたら……
「ハスミ、そっち行ってもいい?」