アウト*サイダー
須賀さんの前の席の篠田さんは今爆睡中だから、携帯をいじってる須賀さんに話しかけてみようかな。
「……ハスミンさー」
「え、はい!?」
なんというタイミング!
携帯に目を向けたままだった須賀さんが不意にこちらを向いた。何だろうと身構える私に……
「ぶっちゃけ、宮永と谷のどっちが好きなの」
ケイとリョウスケ?
何故この二人?
というか、須賀さんって突然質問するの多いな。しかも、どういう意図があるのか分かりづらいやつを。
「何でケイとリョウスケなの」
少しだけ小声になる私に、須賀さんは机に肘をつけて長い足を組んだ。短いスカートだから見えちゃいそうで心配になる。
「しょっちゅう、うちのクラスに二人で来るし、ケンカするし、誰から見てもそういう風に見えるよ」
まぁ、ケイはいつものことだけど、リョウスケは多分クラスのことで心配して来てくれてるんだと思う。
ケンカっていうよりも、リョウスケがケイに一方的にからかわれてるだけだし。
それより、話しても良いのかな。
ケイのこと。
あぁ、でも話したくてウズウズする。